東岡崎校AAの林亮太です。みなさん、元気にしているでしょうか。今回は、秋特集ということで、定番の紅葉について生物学的に話してみようと思います。
生物基礎をやったことのある人は知っていると思いますが、まず、紅葉をする植物は主には樹木で、より詳しく言えば、冷温帯落葉広葉樹(夏緑樹)という比較的薄めで夏に明るい緑の葉をつける樹木です。
本来は温帯の中でもちょっと寒い地域によく分布しており、温かさの指数で言えば、45~85の地域です。有名なのは東北地方の白神山地のブナ林です。この辺の地域なら豊田の香嵐渓が有名ですね。
他にも自分の周りに色々な名所があると思いますので、勉強の息抜きにぜひ見に行き、こころを癒すといいかもしれません。
そして、紅葉、と言えばやはり鮮やかな色! この色は何がもとになっているか。実はいくつかの仕組みがあります。今回はそのうちの一つを簡単に話します。その仕組みとは、
葉緑体の分解と色素の蓄積、です。
まず、葉緑体は、主に光合成を行う細胞小器官(一つの細胞の中にある装置のこと)で、植物における発電所のようなものです。葉緑体による光合成によって合成された糖が植物が生きる上でエネルギー源となります。基本的に葉緑体は赤色、青色あたりの色を吸収する色素を主に持っていて、これにより、吸収されずに反射される緑系の色のおかげで葉が緑に見えます。
まず、秋になり、少し気温が下がると、その刺激によりアントシアニンが合成されます。(アントシアニンは光合成産物(糖)から作られます。) その後、葉緑体が分解されていきます。
すると、葉緑体による光の吸収がなくなるため、アントシアニンによる青色、緑色の吸収により、吸収されなかった赤系の色が反射され、あの、鮮やかな紅葉の色になるのです! 紅葉の中で一番有名なもみじの仲間も基本的にはこの仕組みです。
季節ごとに植物の面白い現象があります。その現象を楽しみに、これからの日々を互いに頑張っていきましょう!
河合塾マナビス東岡崎校
アシスタントアドバイザー 林亮太