標本をバリバリにならないように乾燥させて貼り付けるという作業をやるよりも、アルコールやホルマリンに片っ端から浸けていく方が楽なんじゃないかと感じてしまいそうです。
さて、今回は、久しぶりに、大学で行っている実験実習の内容を紹介したいと思います。先程、植物標本の苦労話を出しましたが、今回、自分たちが行った植物標本は押し葉標本で、新聞紙で挟んだ植物を厚い本(大学の教科書!)で押して作ります。
皆さんも一度はやったことがあるかもしれないものです。この「押し葉」がこんなにも学術的なものであるとは思わなかったです。ただ、標本を貼った紙には、その植物の和名、学名、科名、採取場所、日時、採集者の名前等を書かなければなりません。この辺りはやはり、学術的だなと思いました。
ただ、実は、他にも、ラテン語、ギリシャ語をもとにすることや、斜体で書く(手書きの場合は下線を引く)ことなどいろいろなルールがあるそうです。
しかも、正式には、Diospyros kaki Thunb. というように属名、種小名の後に、命名者(主に)の名前が付きます。因みに名前が長い人とか、命名したものが多い人などは大概、省略(Thunb.はThunbergの省略)しています。
みなさんも沢山新種(新交雑種)を見つけたら、省略された名前で永遠に名前が残りますね!
長くなってきましたが、このような分類についてですが、最近は、遺伝子による種判別がだいぶ進んだため、ちょっと前に分類も変更されたりしたそうです。
これは、今まではこの植物はこの仲間だという判別は主に形態で判別していました。それが遺伝子になったことで、形態は違えど同じ仲間であったり、形態は似ているけど違う仲間であったり、というものが結構出てきたためだそうです。例えば、今までは、あのスギ花粉を放出する悪魔、スギはスギ科に分類されていましたが、今ではヒノキ科に分類されていますし、ウツギと名がついていても、アジサイ科、スイカズラ科などに分けられていたりもしています。
植物は本当に種類が豊富です。もちろん、この世界にある全ての生物種に言えることですが。そんな沢山の「仲間たち」をしっかりと把握していくにはいま述べてきた分類、そして、実際にその種だと判別する同定が重要になります。皆さんも暇があれば、周りにいる「仲間たち」を同定し、分類していくと、また違った日常を送ることが出来るかもしれませんね。長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。
河合塾マナビス東岡崎校
アシスタントアドバイザー 林亮太