肌寒くなってきて紅葉が恋しくなっている今日のこの頃、皆様はお元気にお過ごしでしょうか。
河合塾マナビス東岡崎校アシスタントアドバイザーの林亮太です。
紅葉がいいなと思う理由として、木々の葉色が、夏場の緑一色から、緑、黄、赤といった様々な色となり、樹種ごとに千差万別色鮮やかに感じられることを私は挙げます。
正直な話、
「きれいなので、是非、皆様もお近くの樹木をご覧になって樹種ごとに比較しながら楽しんで下さい」
といって終わっても良いのですが、せっかくなので、紅葉という現象についてちょっと書いてみたいなと思います。
葉の色が変化する仕組みはいくつかあるそうですが、ここではよく説明される仕組みを2つほどご紹介致します。
1.葉の緑の原因たる色素クロロフィルが消失する
葉の葉緑体に含まれる色素のクロロフィルは特に赤色と青色の光を吸収するため、クロロフィルを多く持つ葉、つまり、我々がよく見かける葉の多くは緑色に見えます。
しかし、秋になるとクロロフィルが分解されてゆき、その代わりに葉に含まれる他の色素であるカロテノイド(黄色や赤色に見える)の色が見えてくるようになって、葉の色が変化します。
2.赤色の色素がたくさんつくられる。
葉でクロロフィルが分解されていくのは1と同じですが、分解される前からたくさんの赤色色素(アントシアニンが有名)が葉内で合成されて蓄積していきます。そのため、葉の色が変化します。
写真1.ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)の紅葉(黄色)
常緑針葉樹であるが、実は秋から冬にかけて紅葉(黄色)しているそうです。ただ、色づくのが葉のうち枝の根元部分のみなので、気付きにくいのかも知れません。(あるいはそもそもヒノキの葉色に我々が注目していないだけ?)
色の変化の裏側にはしっかりした仕組みがあり、だからこそ、同じ樹木であれば条件さえ整えば毎年どこでも同じように紅葉が見られるのです。
ところで、仕組みは全然違いますが、金属・金属化合物イオンの色・色変化もきれいなものがありますよね。せっかくなので、理系で化学を勉強されている方は、
・緑、黄、赤の色をもつイオンにそれぞれ何があるのか
・緑、黄、赤の色を全てコンプリートしている金属元素(金属イオン、金属化合物イオン合わせてで)には何があるか
を確認して(3年生は思い出して)みて下さい。
なお、他の方でも古文を勉強されている方は、
・「ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは」
という短歌を作者・意味(訳や修辞法など)など確認してみて下さい。
葉色の変化が今日のテーマでしたが、高校化学ではいろんな物質が色の変化を示しますね。よって、次回、もし書くことがありましたら、物質の色変化に関わっていることもある「化学平衡」について書いてみたいと思います。
文責 林亮太
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